○補装具給付事務取扱要領
(平成5年3月12日訓令第2号)
改正
平成20年8月13日訓令第1号
(基本的事項)
第1条 補装具は、身体障害者の職業その他日常生活の能率の向上を図ることを目的として給付されるものであるから、給付にあっては、補装具を必要とする身体障害者の機能の現況、性別、年齢、職業、生活環境等の諸条件を考慮して行われなければならないこと。
2 補装具の給付は、身体障害者リハビリテーションの重要な一過程としてなされるものであることから、その取扱いについては適正かつ慎重を期するとともに、経理事務等の処理にあたっては迅速かつ正確に行うよう努めること。
3 補装具を必要とする者及び現に装用している者の状況を常に的確に把握し、これにより計画的な更生援護の措置を講ずるとともに、装用状況の観察、装着訓練の指導等を積極的に行うよう努めること。
4 他方の規定によって補装具の交付又は修理が受けられる者は、従前のとおり、身体障害者福祉法(以下「法」という。)の規定に基づく給付に優先して、関係各法に基づく給付を受けるよう取扱うものであること。
5 補装具の給付を円滑に行うために、製作等を委託する業者の設備技術が整備される必要があるので、公立補装具製作施設についてその設備、技術者等の整備強化を図るとともに、民間施設に対しても同様の指導を行うこと。
6 補装具製作業者との委託契約にあたっては、その設備、技術等を検討したうえで適切な業者を選定して行うこととし、契約の締結に際しては、別紙契約書案を参考とされたいこと。
(実施要領)
第2条 補装具の種目、受託報酬の額等に関する基準の運用について
(1) 価格は、補装具の種目、受託報酬の額等に関する基準(以下「告示」という。)に定める主材料、工作法又は基本構造、附属品等によった場合の最高額として定められているものであるから、各種目における型式等の機能の相違及び特性等を勘案のうえ、画一的な価格の決定を行うことのないよう留意されたいこと。
(2) 身体障害者の障害その他真にやむを得ない事情により、告示に示された補装具の種目、型式、価格等により難い補装具を交付する必要があるときは、基準外交付として厚生大臣に協議のうえ承認を得て交付することができること。
(3) 受託報酬の額が告示別表1交付基準に掲げる価格の100分の95に相当する額とするものは、国、地方公共団体、日本赤十字社、社会福祉法人又は一般社団法人及び一般財団法人の設置する補装具製作施設が自ら製作した補装具についてのみ適用されるものであって、当該施設が民間業者の製作した補装具をあっせん又は取次販売する場合には適用されないものであること。なお、あっせん又は取次販売するものであっても、身体障害者更生相談所長(以下「更生相談所長」という。)の判定を受ける必要のあるものについては、関係者各位のもとに厳密な適合判定を行い、給付に際して遺憾のないよう特に留意すること。
(4) 補装具の交付数は、原則として1種目につき1個であるが、身体障害者の障害の状況又は職業更生上等特に必要と認めた場合は、2個を交付することができること。
(5) 耐用年数は、通常の装用状態において当該補装具が修理不能となるまでの予想年数が示されたものであるから、交付を受けた者の作業の種類又は障害の状態等によっては、その耐用年数に相当の長短が予想されるので、再交付の際に実情に添うように慎重に取り扱うこと。
なお、災害時により亡失き損した場合は、耐用年数の如何にかかわらず新たに必要とする補装具を交付することができる。
(6) 修理基準の種目欄、型式名称欄、又は修理部位欄に定められていないものに係る修理が必要な場合には、他の類似種目等の修理部位を参考とし、あるいはそれらの個々について原価計算による見積り等により適正な時価を決定して実施して差し支えないものであること。
2 交付、修理を業者に委託して行う場合(国又は他の都道府県及び市町村が設置する補装具製作施設に委託する場合を含む。)の事務処理について
(1) 給付の判定
ア 村長は、身体障害者から補装具交付(修理)申請書の提出を受けた場合において、その申請が義肢、装具、義眼、眼鏡、人口喉頭、補聴器、車いす、電動車いす、歩行車、収尿器、歩行補助つえ(つえを除く。)の新規交付であるときには、その交付の要否及び処方について更生相談所長の判定を求めること。
なお、これらの種目については、再交付又は修理に際しても、特に医学的判定を要しないと認められる場合を除き、同様とする。
イ 更生相談所長は、新規申請者にかかる判定を行うときは、できるかぎり切断その他医療措置を行った医師と緊密な連絡をとり判定に慎重を期する。
ウ 更生相談所長は、補装具の給付判定を行うにあたって、更生相談所に専任の医師又は適切な検査施設の置かれていないときは、法第15条第1項に基づく指定医又は法第19条の2第1項に基づく更生医療指定医療機関において当該医療を主として担当する医師の中から関係医学会等の意見に基づいて選定した専門医に医学的判定を委嘱すること。
(2) 給付の決定
村長は、更生相談所長の判定に基づいて、又は医学的判定を要しないものについて検討した結果、補装具の給付を決定したときは、速やかに補装具交付(修理)券を申請者に交付すること。
(3) 型取り、仮合せ
義肢、装具の型取り、仮合せについては、(1)に準じ専門医の指導のもとに実施すること。
(4) 適合判定
ア 更生相談所長の判定に基づいて製作又は修理された補装具を給付するに際しては、(1)に準じ更生相談所長による適合判定を受けなければならないこと。
イ 適合判定を行う際は、補装具の給付を受ける者、医師、補装具製作技術者及び身体障害者福祉司等の関係者の立合いのもとに実施することが望ましいこと。
ウ 義肢、装具の適合判定は、軸位及び切断端とソケットとの適合状況、又は固定、免荷、矯正等装具装着の目的に対する適合状況、更に使用材料、工作法、操作法の確実性について検査し、併せて外観、重量及び耐久力について考慮すること。
3 援護の実施機関が自ら行う場合の事務処理について
(1) 援護の実施機関が自ら設置する補装具製作施設で製作し又は修理を行う場合
ア 更生相談所長が行う処方又は適合判定等
イ 給付の決定
村長は、補装具の給付を決定したときはその旨を速やかに申請者に通知すること。ただし、必要に応じ補装具交付(修理)券をもってこれに代えることができること。
(2) 援護の実施機関が補装具を購入して給付する場合
ア 購入して給付するのが適当とみられるものは、盲人安全つえ、点字器、つえ、補聴器用電池及び断端袋であること。
イ 給付の決定
村長は、補装具の給付を決定したときは、給付の日時を指定して、その旨を速やかに申請者に通知すること。
ウ 補聴器用電池及び断端袋を一括交付する場合は2の(6)に準じて行うこと。
4 費用の徴収について
法第38条第3項又は同条第4項の規定により、当該身体障害者又はその扶養義務者から、その負担能力に応じた費用を徴収する場合は、補装具給付後1カ月以内に納入告知書を発行して徴収すること。
5 給付決定の期間等について
補装具給付決定の迅速化を図るため、補装具交付(修理)券又は決定通知書の発行については次のとおり取り扱うこと。
(1) 申請書を受理した村長は、3日以内に実態を調査せしめ、更生相談所長の判定を求め、原則として申請日より2週間以内に補装具交付(修理)券又は決定通知書発行の要否を決定し、申請者に通知すること。
村長は、申請者に対して補装具交付(修理)券を発行した場合には、委託業者に対して発券の旨及びその他所要の事項(型取りの日時、場所等)を速やかに通知すること。
附 則(平成20年8月13日訓令第1号)
この訓令は、平成20年12月1日から施行する。