○21世紀出雲市青少年ネットワーク条例
(平成17年出雲市条例第331号) |
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前文
瓜(うり)食(は)めば 子(こ)ども思(おも)ほゆ 栗(くり)食(は)めば まして偲(しのば)はゆ いづくより 来(きた)りしものぞ 眼交(まなかい)に もとなかかりて 安寐(やすい)しなさぬ
銀(しろがね)も金(くがね)も玉(たま)も何(なに)せむに勝(まさ)れる宝子(たからこ)に及(し)かめやも
山上憶良(やまのうえのおくら) : 子等(こら)を思(おも)ふ歌(うた)
子に対する親の愛はいつの時代も変わらぬものである。
親から子へ、子から孫へ、人類誕生以来脈々として営まれ、引き継がれてきた世代。未来を託し、途切れることなく続く子育て。愛に包まれ、絶え間なく成長を続ける青少年。
青少年の健やかな成長は、時代や世代を超えすべての人々の共通した願いである。
21世紀を迎えた今日、経済社会の成熟、情報ネットワーク社会の急速な拡大、科学技術の恩恵がもたらす生活水準の向上と省力化の実現、そして、伝統的な教師像の変容、少子・高齢化、核家族化や男女共同参画社会の到来による子育て環境の激変などにより、青少年の生活環境は複雑・多様化し、また一部青少年による生命の尊厳の軽視、倫理観の欠如など人としての責務や自覚のたがが緩み、かつて想像だにできなかった難しい問題・事象が次から次へと発生している。
そうした中、家庭、学校及び地域社会や行政等の関係者は、青少年を巡る諸問題を直視し、それぞれの立場と役割の中で、たゆまぬ努力と工夫を重ねてきている。
一方、行政としても、従来の縦割りの問題解決型の青少年対策に加え、地域社会挙げて青少年育成にかかわる多様な組織・人脈を有機的に結合・連携した地域を横断するネットワークを形成し、より具体的・効果的に進めていくべきときに立ち至っている。
よって、本市は、家庭、学校及び地域社会一丸となった青少年育成の安全網たるネットワークの構築を目指す「21世紀出雲市青少年ネットワーク条例」をここに制定する。
(目的)
第1条 この条例は、青少年育成の基本や青少年としての心構え、家庭の役割、学校及び地域社会のかかわりを提唱するとともに、青少年育成に携わるすべての人々や組織を挙げて、青少年育成のネットワークを形成することによって、青少年一人ひとりが自主性を持ち、伸び伸びと個性輝き、健やかに成長できる社会環境を醸成させ、もって活力と潤いに満ちた心豊かな21世紀都市出雲の創造・発展を目指すことを目的とする。
(青少年育成の基本)
第2条 家庭、学校及び地域社会は、次に掲げる事項を基本として青少年育成を進めるものとする。
(1) 青少年が、人として尊ばれ、個性と能力を十分発揮することができ、健康で文化的な生活の中で健全な成長が保障されること。
(2) 青少年が、地域社会の一員として、それぞれの意見や希望を表明することができ、また、これが尊重される社会が形成されること。
(3) 青少年が、あらゆる形態の身体的又は精神的な暴力、傷害、虐待、酷使、放置、怠慢その他不当な取扱いから守られること。
(4) 市民が、安心して子育てできるよう支援され、また、社会全体が青少年の成長・育成の責任を果たすこと。
(青少年の心構え)
第3条 青少年は、社会の一員として、次に掲げる事項を心掛け、より充実した日々の生活に努めるものとする。
(1) 家庭や地域社会の中で、社会ルールを身に付け、守るとともに、その期待や社会的責務を自覚し、自己の行動に責任を持ち、より良い社会の構築・発展に参加・貢献すること。
(2) 自ら学び、自ら考え、自ら行動し、そして表現する力を身に付ける等、研鑽努力すること。
(3) 他者に対するいたわりの心を持ち、生命の大切さや人間の尊厳を重んずること。
(家庭、学校及び地域社会の役割等)
第4条 家庭、学校及び地域社会一丸となり青少年育成のネットワークを形成し、次に掲げる事項の達成に努めるものとする。
(1) 家庭の役割
ア 家庭は、学校・地域社会が青少年育成に大きなかかわりを持っていることを認識し、常に両者との連携を深めつつ、家庭教育に努めること。
イ 家族が一体となり、幼児期から、芸術文化やスポーツ・レクリエーションをはじめ社会活動に参加する等地域社会とかかわりを持つこと。
ウ 家庭は、基本的な社会ルール・生活習慣を青少年に身に付けさせるとともに、家族のふれあいの時間を持つ等、積極的に青少年とかかわりを持ち、家族のきずなを深めていくこと。
(2) 学校のかかわり
ア 学校は、青少年の活動や世代間・異年齢間の交流活動の場として、学校施設を地域へ開放すること。
イ 学校関係者は、地域社会と積極的にかかわり、また、地域社会の一員として、青少年の健やかな育成に努めること。
ウ 学校は、青少年の学力や学ぶ意欲の向上、思考力・判断力・表現力等の資質や精神的・身体的な能力の発達に努めること。
(3) 地域社会のかかわり
ア 市民は、隣人として、地域のおじさん・おばさん、おにいさん・おねえさんとして、青少年の良き理解者となり、また、地域社会全体で青少年を見守り育んでいくという立場で青少年と協力し、明るく、活気あふれる地域社会の構築に努めること。
イ 自治協会、コミュニティセンター、町内組織、PTA、青少年育成団体、地域団体等(以下「地域組織等」という。)は、地域の特性を生かし、芸術・スポーツ・ボランティア活動等青少年育成の実践に努め、子ども会等の地域活動を支援すること。
ウ 公的機関、民間を問わず、又は営利、非営利を問わず事業を行う者は、家族、親子等がふれあえる時間の創出に努め、青少年育成のための活動を積極的に支援又は実践すること。
エ 広場、運動場、研修施設等を所有又は管理する者は、青少年の活動の場として当該施設の開放又は提供に努めること。
(市の責務)
第5条 市は、青少年育成のため、次に掲げる事項の実施に努めるものとする。
(1) 全市にわたる青少年育成の活動を重点的に推進すること。
(2) 地域社会が行う青少年育成の活動を支援し、活動に携わるリーダーやボランティアを育成すること。
(3) 青少年による芸術文化、科学、スポーツ・レクリエーション、読書活動、国際交流等の活動やボランティア活動等を奨励し、支援すること。
(4) 家庭や地域社会での青少年育成に係る学習機会や情報提供等を行うとともに、相談体制を充実すること。
(5) 青少年の野外活動や学校外活動の拠点施設等の整備を行うこと。
(委任)
第6条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成18年3月17日条例第37号)抄
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(施行期日)
1 この条例は、平成18年4月1日から施行する。
附 則(平成18年3月17日条例第40号)抄
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(施行期日)
1 この条例は、平成18年4月1日から施行する。
附 則(平成23年9月30日条例第36号)
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この条例は、平成23年10月1日から施行する。
附 則(平成25年3月15日条例第10号)抄
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(施行期日)
1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。
附 則(平成27年3月25日条例第2号)
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この条例は、平成27年4月1日から施行する。