○出雲市情報セキュリティ基本方針
(令和7年出雲市訓令第2号) |
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出雲市情報セキュリティ基本方針(平成17年出雲市訓令第1号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 出雲市情報セキュリティ基本方針(以下「基本方針」という。)は、本市が保有する情報資産の機密性、完全性及び可用性を維持するため、本市が実施する情報セキュリティ対策について基本的な事項を定めることを目的とする。
(定義)
第2条 この基本方針において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) ネットワーク コンピューター等を相互に接続するための通信網、その構成機器(ハードウェア及びソフトウェア)をいう。
(2) 情報システム コンピューター、ネットワーク及び電磁的記録媒体で構成され、情報処理を行う仕組みをいう。
(3) 情報セキュリティ 情報資産の機密性、完全性及び可用性を維持することをいう。
(4) 情報セキュリティポリシー 本基本方針及び第11条に規定する情報セキュリティ対策基準をいう。
[第11条]
(5) 機密性 情報にアクセスすることを認められた者だけが、情報にアクセスできる状態を確保することをいう。
(6) 完全性 情報が破壊、改ざん又は消去されていない状態を確保することをいう。
(7) 可用性 情報にアクセスすることを認められた者が、必要なときに中断されることなく、情報にアクセスできる状態を確保することをいう。
(8) マイナンバー利用事務系(個人番号利用事務系) 個人番号利用事務(社会保障、地方税若しくは防災に関する事務)又は戸籍事務等に関わる情報システム及びデータをいう。
(9) LGWAN接続系 LGWANに接続された情報システム及びその情報システムで取り扱うデータをいう(マイナンバー利用事務系を除く。)。
(10) インターネット接続系 インターネットメール、ホームページ管理システム等に関わるインターネットに接続された情報システム及びその情報システムで取り扱うデータをいう。
(11) 通信経路の分割 LGWAN接続系とインターネット接続系の両環境間の通信環境を分離した上で、安全が確保された通信だけを許可できるようにすることをいう。
(12) 無害化通信 インターネットメール本文のテキスト化や端末への画面転送等により、コンピューターウイルス等の不正プログラムの付着が無い等、安全が確保された通信をいう。
(対象とする脅威)
第3条 情報資産に対する脅威として、次の脅威を想定し、情報セキュリティ対策を実施する。
(1) 不正アクセス、ウイルス攻撃、サービス不能攻撃等のサイバー攻撃及び部外者の侵入等の意図的な要因による情報資産の漏えい・破壊・改ざん・消去、重要情報の詐取、内部不正等
(2) 情報資産の無断持ち出し、無許可ソフトウェアの使用等の規定違反、設計・開発の不備、プログラム上の欠陥、操作・設定ミス、メンテナンス不備、内部・外部監査機能の不備、委託管理の不備、マネジメントの欠陥、機器故障等の非意図的要因による情報資産の漏えい・破壊・消去等
(3) 地震、落雷、火災等の災害によるサービス及び業務の停止等
(4) 大規模・広範囲にわたる疾病による要員不足に伴うシステム運用の機能不全等
(5) 電力供給の途絶、通信の途絶、水道供給の途絶等の提供サービスの障害からの波及等
(対象機関)
第4条 本基本方針が適用される機関は、市長、議会、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会、固定資産評価審査委員会、水道事業及び下水道事業、病院事業並びに消防本部(これらの機関が所管する施設を含む。)とする。
(情報資産の範囲)
第5条 本基本方針が対象とする情報資産は、次のとおりとする。
(1) ネットワーク及び情報システム並びにこれらに関する設備及び電磁的記録媒体
(2) ネットワーク及び情報システムで取り扱う情報(これらを印刷した文書を含む。)
(3) 情報システムの仕様書及びネットワーク図等のシステム関連文書
(職員の遵守義務等)
第6条 職員(特別職の職員、一般職の職員及び条例等で設置する協議会等が採用するものをいう。)は、情報セキュリティの重要性について共通の認識を持ち、業務の遂行に当たって情報セキュリティポリシー及び情報セキュリティ実施手順を遵守しなければならない。
2 第4条に掲げる機関は、その所管する施設の管理の業務に従事する者(前項の職員を除く。)に対し、情報セキュリティポリシー及び情報セキュリティ実施手順を遵守させるために必要な措置を講じるものとする。
[第4条]
(情報セキュリティ対策)
第7条 第3条の脅威から情報資産を保護するために次の各号に定める情報セキュリティ対策を講じる。
[第3条]
(1) 組織体制 本市の情報資産について、情報セキュリティ対策を推進する全庁的な組織体制を確立する。
(2) 情報資産の分類と管理 本市の保有する情報資産を機密性、完全性及び可用性に応じて分類し、当該分類に基づき情報セキュリティ対策を実施する。
(3) 情報システム全体の強靭性の向上 情報セキュリティの強化を目的とし、業務の効率性・利便性の観点を踏まえ、情報システム全体に対し、次の3段階の対策を講じる。
ア マイナンバー利用事務系においては、原則として、他の領域との通信をできないようにした上で、端末からの情報持ち出し不可設定や端末への多要素認証の導入等により、住民情報の流出を防ぐ。
イ LGWAN接続系においては、LGWANと接続する業務用システムと、インターネット接続系の情報システムとの通信経路を分割する。なお、両システム間で通信する場合には、無害化通信を実施する。
ウ インターネット接続系においては、不正通信の監視機能の強化等の高度な情報セキュリティ対策を実施する。高度な情報セキュリティ対策として、自治体情報セキュリティクラウドの導入等を実施する。
(4) 物理的セキュリティ サーバー 、情報システム室、通信回線及び職員等のパソコン等の管理について、物理的な対策を講じる。
(5) 人的セキュリティ 情報セキュリティに関し、職員等が遵守すべき事項を定めるとともに、十分な教育及び啓発を行う等の人的な対策を講じる。
(6) 技術的セキュリティ コンピューター等の管理、アクセス制御、不正プログラム対策、不正アクセス対策等の技術的対策を講じる。
(7) 運用 情報システムの監視、情報セキュリティポリシーの遵守状況の確認、業務委託を行う際のセキュリティ確保等、情報セキュリティポリシーの運用面の対策を講じるものとする。また、情報資産に対するセキュリティ侵害が発生した場合等に迅速かつ適正に対応するため、緊急時対応計画を策定する。
(業務委託と外部サービス(クラウドサービス)の利用)
第8条 業務委託を行う場合には、委託事業者を選定し、情報セキュリティ要件を明記した契約を締結し、委託事業者において必要なセキュリティ対策が確保されていることを確認し、必要に応じて契約に基づき措置を講じる。
2 外部サービス(クラウドサービス)を利用する場合には、利用に係る規定を整備し対策を講じる。
3 ソーシャルメディアサービスを利用する場合には、ソーシャルメディアサービスの運用手順を定め、ソーシャルメディアサービスで発信できる情報を規定し、利用するソーシャルメディアサービスごとの責任者を定める。
(情報セキュリティ監査及び自己点検の実施)
第9条 情報セキュリティポリシーの遵守状況を検証するため、定期的又は必要に応じて情報セキュリティ監査及び自己点検を実施し、運用改善を行い、情報セキュリティの向上を図る。情報セキュリティポリシーの見直しが必要な場合は、適宜情報セキュリティポリシーの見直しを行う。
(情報セキュリティポリシーの見直し)
第10条 情報セキュリティ監査及び自己点検の結果、情報セキュリティポリシーの見直しが必要となった場合及び情報セキュリティに関する状況の変化に対応するため新たに対策が必要になった場合には、保有する情報及び利用する情報システムに係る脅威の発生の可能性及び発生時の損失等を分析し、リスクを検討したうえで、情報セキュリティポリシーを見直す。
(情報セキュリティ対策基準の策定)
第11条 第7条から前条までに規定する対策等を実施するために、具体的な遵守事項及び判断基準等を定める情報セキュリティ対策基準(以下「対策基準」という。)を策定するものとする。
[第7条]
(情報セキュリティ対策実施手順の策定)
第12条 対策基準に基づき、情報セキュリティ対策を実施するための具体的な手順を定めた情報セキュリティ実施手順(以下「実施手順」という。)を策定するものとする。
(対策基準及び実施手順の取扱い)
第13条 対策基準及び実施手順の取扱いは、公にすることにより本市の情報セキュリティの確保に重大な支障を及ぼすおそれがあることから、非公開とする。
附 則
この基本方針は、令和7年3月1日から施行する。