○北見市中小企業振興基本条例
(平成25年3月18日条例第6号)
改正
令和3年6月21日条例第94号
前文
目次

第1章 総則(第1条-第7条)
第2章 中小企業の振興に関する基本的施策(第8条-第11条)
第3章 北見市中小企業振興審議会(第12条-第17条)
第4章 雑則(第18条)
附則

北海道東部の中央に位置する北見市は、石北峠からオホーツク海に至る広大な面積を有しています。オホーツク海とサロマ湖に面し、河川の流域沿いに市街地と農地が形成され、周囲には森林が広がる豊かな自然環境に囲まれています。肥沃な土壌に育まれた農作物やオホーツク海域の豊富で新鮮な海産物をはじめ、森林資源や温泉などの多彩な地域資源に恵まれながら、先人たちがたゆまぬ努力を続け、あらゆる困難を乗り越えてきたからこそ、今日までオホーツク圏域における商工業の中心的な役割を担い続け、今後ともその役割を果たすことが期待されています。
 北見市は、事業所のほとんどを中小企業が占めるまちであり、中小企業は、本市の経済と雇用の基盤を支えるのみならず、技能・技術や文化の継承に重要な機能を果たすなど地域社会と市民生活を支える大きな役割を担っています。そして、中小企業が地域社会の主役であり、地域にとってなくてはならないものであるという認識を企業はもちろんのこと、市民や行政も共有することが必要です。経済のグローバル化や少子高齢化・人口減少社会の到来など社会構造の大きな変化の中で、中小企業が多様で活力ある成長発展をしていくためには、中小企業者は、自らが地域経済の重要な担い手であることを自覚し、中小企業ならではの組織の柔軟性、機動性、サービスといった自らの「強み」を見つめなおし、創意工夫を生かして変化に挑戦するなど経営の向上を図る努力をすることが大切です。中小企業が光り輝き、もって、安定的で活力ある地域経済と豊かな市民生活が実現されるよう、企業と市民と行政が一体となり、地域資源の独自性を生かしながら、より多くの域外からの資金を域内で循環させることで再投資力を高めていくことが重要です。
 そこで、中小企業基本法第6条に定める地方公共団体としての北見市の責務にのっとり、中小企業の振興を市政の重要な課題として位置付けるとともに、企業、市民及び行政の役割や関係を明らかにし、中小企業をより元気にすることで、北見市をより豊かで暮らし続けたくなるまちとするため、ここに、北見市中小企業振興基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、北見市の中小企業の振興に関する施策について、その基本理念、基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、市の責務、中小企業者の努力すべき事項等を明らかにすることにより、中小企業の振興に関する施策を総合的に推進し、もって地域経済の健全な発展及び市民生活の向上を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号の定めるところによる。
(1) 中小企業者 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項各号に掲げる中小企業者及び同条第5項に規定する小規模企業者であって、市の区域内に事務所又は事業所を有する者をいう。
(2) 大企業者 中小企業者以外の者であって、事業を営む者をいう。
(3) 大規模小売店舗設置者等 市の区域内に大規模小売店舗立地法(平成10年法律第91号)第2条第2項に規定する大規模小売店舗を設置している者及び当該大規模小売店舗内において小売業等を営む者をいう。
(4) 地域経済団体 商工会議所法(昭和28年法律第143号)の規定により設立された商工会議所、商工会法(昭和35年法律第89号)の規定により設立された商工会、商店街振興組合法(昭和37年法律第141号)の規定により設立された商店街振興組合及び商店街振興組合連合会、中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)の規定により設立された事業協同組合その他これらに類する団体をいう。
(5) 域内 本市を中心として、おおむねオホーツク圏域を区域とする経済圏の区域をいう。
(6) 域外 域内以外の区域をいう。
(基本理念)
第3条 中小企業の振興は、次に掲げる基本理念にのっとり、推進されなければならない。
(1) 中小企業者の創意工夫を生かした経営の向上を図るための事業活動を基本として、中小企業者のみならず、大企業者、大規模小売店舗設置者等、市及び市民の協力の下に行われるべきこと。
(2) 中小企業は、多様な事業の分野において特色ある事業活動を行い、多様な就業の機会を提供し、個人がその能力を発揮しつつ事業を行う機会を提供することにより、地域経済の基盤を形成しているものであること。
(3) 中小企業は、事業活動を通じた新たな産業の創出、就業の機会の増大、市場における競争の促進及び経済の活性化の促進等により、地域経済の活力の維持及び強化に重要な使命を果たすべきものであること。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、中小企業の振興に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
2 市は、前項の施策を実施するに当たっては、国、北海道その他の地方公共団体、地域経済団体、金融機関、大学等の教育・研究機関その他の関係機関と緊密な連携を図らなければならない。
(中小企業者の努力)
第5条 中小企業者は、基本理念にのっとり、事業活動を行うに当たっては、次に掲げる事項に努めるものとする。
(1) 経済的社会的環境の変化に即応して事業の成長発展を図るため、自主的に経営及び取引条件の向上を図ること。
(2) 市が行う中小企業の振興に関する施策の実施について協力すること。
(3) 地域社会を構成する一員としての社会的責任を自覚し、地域社会との調和を図り、誰もが暮らし続けたい地域社会の実現に貢献すること。
(4) 域内において生産、製造又は加工された産品を積極的に取り扱い、及び域内で提供されるサービス等を積極的に利用すること。
(大企業者及び大規模小売店舗設置者等の役割)
第6条 大企業者及び大規模小売店舗設置者等は、基本理念にのっとり、事業活動を行うに当たっては、次に掲げる事項に努めるものとする。
(1) 地域社会を構成する一員としての社会的責任及び影響を自覚することはもとより、中小企業が自らの事業活動の維持及び発展に欠くことのできない重要な存在であることを認識し、中小企業者と連携及び協力すること。
(2) 中小企業の振興が地域経済の発展において果たす役割の重要性を理解し、市が行う中小企業の振興に関する施策の実施について協力すること。
(3) 域内において生産、製造又は加工された産品を積極的に取り扱い、及び域内で提供されるサービス等を積極的に利用すること。
(4) 地域経済団体に加入するとともに、地域との共存共栄を図り、地域に貢献する活動を行うこと。
(市民の理解と協力)
第7条 市民は、基本理念にのっとり、中小企業の振興が市民生活の向上及び地域経済の活性化において果たす役割の重要性を理解し、その健全な発展に協力するよう努めるものとする。
2 市民は、基本理念にのっとり、消費者として、域内において生産、製造又は加工された産品及び域内で提供されるサービス等を積極的に利用するよう努めるものとする。
第2章 中小企業の振興に関する基本的施策
(基本方針)
第8条 市は、次に掲げる基本方針に基づき、中小企業の振興に関する施策を講ずるものとする。
(1) 中小企業者の経営の革新及び創業の促進並びに創造的な事業活動の促進を図ること。
(2) 中小企業者の経営基盤の強化を図ること。
(3) 中小企業者の経営の安定、事業の転換を図ること等により、経済的社会的環境の変化への適応の円滑化を図ること。
(4) 中小企業者の事業活動を担う人材の育成及び確保を図ること。
(5) 効果的な融資制度の充実等により中小企業者に対する資金の供給の円滑化を図ること。
(6) 地域資源の活用による新事業の創出及び地域資源の利用促進を図ること。
(推進体制の整備)
第9条 市は、中小企業の振興に関する施策を推進するため、必要な体制を整備するものとする。
(財政上の措置)
第10条 市は、中小企業の振興に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(市からの受注機会の増大)
第11条 市が行う工事の発注、物品及び役務の調達等に当たっては、予算の適正な執行並びに透明かつ適正な競争及び契約の適正な履行の確保に留意しつつ、中小企業者の受注の機会の増大に努めるものとする。
第3章 北見市中小企業振興審議会
(設置)
第12条 中小企業の振興を図るため、市長の附属機関として、北見市中小企業振興審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(所掌事務)
第13条 審議会は、市長の諮問に応じ、この条例の運用及び見直しその他の中小企業の振興に関する重要事項を調査審議し、及び答申する。
2 審議会は、自ら中小企業の振興に関する重要事項について調査審議し、及び市長に対して提言することができる。
3 市長は、第1項及び第2項の答申及び提言を尊重するものとする。
(組織)
第14条 審議会は、委員11人以内で組織する。
2 委員は、前条第1項に規定する事項に関し学識経験のある者、中小企業の振興に関係のある者、公募に応募した者その他市長が適当と認める者のうちから、市長が委嘱する。
(委員の任期)
第15条 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
(会長及び副会長)
第16条 審議会に会長及び副会長各1人を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。
4 会長及び副会長ともに事故があるときは、あらかじめ会長の指名する委員がその職務を代理する。
(その他の組織及び運営)
第17条 この章に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。
第4章 雑則
(委任)
第18条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。
(招集の特例)
2 この条例による最初の審議会の会議は、第17条第1項本文の規定にかかわらず、市長が招集する。
(北見市中小企業等振興条例の廃止)
3 北見市中小企業等振興条例(平成18年条例第131号。以下「旧条例」という。)は、廃止する。
(経過措置)
4 この条例の施行の際、現に廃止前の旧条例の規定により助成、融資あっせんその他の措置を受けている者に係る当該助成、融資あっせんその他の措置については、なお従前の例による。
5 この条例の施行の際、現に廃止前の旧条例の規定によりされている申請については、なお従前の例による。
附 則(令和3年6月21日条例第94号)
この条例は、公布の日から施行する。