○北見市飲用井戸等衛生対策要領
(平成26年12月19日内規第498号)
改正
令和2年2月13日内規第11号
令和6年4月1日内規第131号
第1 目的
この要領は、飲用水を供給する井戸等の給水施設(以下「飲用井戸等」という。)の適正管理、水質に関する定期的な検査、有害物質や病原性微生物等による汚染時における措置及び汚染防止のための対策を定めることにより、総合的な衛生の確保を図ることを目的とする。
第2 基本方針
1 飲用井戸等の衛生確保は、飲用井戸等を設置しようとする者又は飲用井戸等の設置者若しくは管理者(以下「設置者等」という。)が自らの責任において実施するものとする。
2 市は、関係機関と協力し、飲用井戸等の管理における衛生確保が図られるよう設置者等に対し、適正な管理の指導又は助言を行うものとする。
第3 対象施設
この要領において対象とする施設は、市に所在する次に掲げる飲用井戸等であって、水道法(昭和32年法律第177号)及び建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号)の適用を受けないものとする。
(1) 地下水、河川水(伏流水を含む。以下同じ。)、湖沼水又は湧水を水源とする個人住宅、寄宿舎、社宅、共同住宅等に居住する者に対する飲用井戸等(以下「一般飲用井戸等」という。)
(2) 地下水、河川水、湖沼水又は湧水を水源とする官公庁、学校、病院、店舗、工場その他の事業所等に対する飲用井戸等(以下「業務用飲用井戸等」という。)
第4 衛生確保対策
1 実態の把握
(1) 市は、飲用井戸等の衛生確保を図るため、飲用井戸等の設置場所、設置数、水質の状況等に関する情報を収集整理し、飲用井戸等を設置しようとする者、飲用井戸等の設置者及び管理者並びに使用者に対する啓発のため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(2) 市は、飲用井戸等の管理を適正に行うため、設置者等に協力を求め、管理状況について適宜必要な報告を受けるものとする。
2 衛生管理等
設置者等は、飲用井戸等の衛生を確保するため、次に掲げるところにより管理等を行うものとする。
(1) 衛生対策
ア 飲用井戸等及びその周辺にみだりに人畜が立ち入り、動物を飼育し、又は動物のふん尿等汚染源となる物質を搬入しないよう清潔保持に努めること。
イ 飲用井戸等は、汚染排水施設(排水溝、排水管、汚水貯留槽等)又は汚物貯留槽(便槽、浄化槽等)等から水平距離で5メートル以上離し、かつ、それらが汚染源とならないように、管理状況の把握に努めること。
ウ 農薬、油類、各種薬品等の井戸水を汚染するおそれのあるものを飲用井戸等の周囲に散布、放置等しないよう努めること。
エ 飲用井戸等の構造(井筒、ケーシング、ポンプ、吸入管、弁類、管類、井戸の蓋、水槽、取水ぜき、湧出口周辺の囲い等)について、定期的に点検を行い、汚染源に対する防護措置を講ずるとともに、これら施設の清潔保持に努めること。
(2) 施設の構造
ア 新たに地下水を水源とする飲用井戸等を設置する場合は、汚染防止のため井戸を深井戸とし、原則として、ケーシングを地表面又は床面から30センチメートル以上立ち上げ、井筒の周囲に汚染防止壁等を設けるか、又は井戸を建物内(井戸小屋)に設けるよう努めること。
イ 一般飲用井戸等及び業務用飲用井戸等であって湧水を水源とするものにあっては、湧出口に囲いを設け、雨水等が混入しないよう汚染防止に努めること。
ウ 一般飲用井戸等及び業務用飲用井戸等にあっては、必要に応じて塩素滅菌機又は浄水器を整備する等、飲用水の消毒に努めること。
(3) 維持管理
ア 受水槽又は高置水槽を設けている飲用井戸等の設置者等は、簡易専用水道の管理基準に準じて適切に管理すること。
イ アに基づく管理のうち、水槽の清掃については、可能な限り建築物飲料水貯水槽清掃業の知事登録業者に依頼すること。
ウ 業務用飲用井戸等については、当該業務用飲用井戸等の構造及び維持管理に関する必要な情報を把握しておくこと。
3 定期及び臨時の水質検査等
設置者等は、飲用井戸等の衛生を確保するため、次の水質検査等を行うこと。
(1) 飲用水の色、濁り、臭い及び味について1日に1回以上自ら確認するとともに、別表1に掲げる定期の水質検査を行うこと。
(2) 飲用水の水質に異常を認めたときは、臨時の水質検査を実施すること。
(3) 水質検査を依頼するに当たっては、水道法第20条第3項に規定する地方公共団体の機関又は国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者に依頼して行うこと。ただし、検査項目のうち可能なものについては、建築物飲料水水質検査業の知事登録業者に依頼しても差し支えない。
(4) 新たに飲用井戸等を設置する場合には、給水開始前に、別表2に掲げる検査を実施し、検査項目が水質基準に適合していることを確認すること。
(5) 水質検査等を行ったときは、その結果を5年間保存すること。
4 汚染防止対策
飲用井戸等の汚染を防止するため、設置者等及び市は、次に掲げるところにより必要な措置を講ずるものとする。
(1) 設置者等が講ずる措置
設置者等は、飲用井戸等の水源の種類に応じて、次に掲げるところにより有害物質及び病原生物の汚染対策を行うこと。
ア 有害物質による汚染対策
(ア) 設置者等は、トリクロロエチレン等、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素等の有害物質による汚染を防止するため、水源の水質に応じて、有害物質を適切に除去する浄化装置を設置する等必要な対策を講ずること。
(イ) 一般飲用井戸等及び業務用飲用井戸等に有害物質を除去する浄化装置を設置している設置者等は、装置の適正管理に努めること。
イ 病原生物による汚染対策
設置者等は、エキノコックス虫卵及びクリプトスポリジウム等の病原生物による汚染を防止するため、水源の種類に応じて、病原生物を適切に除去する装置又はろ過設備を設置する等必要な対策を講ずること。
(2) 市が講ずる措置
市は、有害物質及び病原生物による汚染を防止するため、次の措置を講ずるものとする。
ア 施設の管理及び水質検査の実施について、必要に応じて立入調査を行い、改善指導を行うこと。
イ 飲用井戸等が汚染されるおそれがある場合には、設置者等に注意喚起を行うこと。
ウ 地下水の汚染が判明した場合は、汚染実態の把握及び調査に努め、設置者等に必要な情報を提供すること。
5 汚染が判明した場合の措置
(1) 設置者等は、飲用井戸等の汚染が判明したときは、直ちに給水を停止し、市に報告すること。
(2) 設置者等は、水質検査の結果、水道法に基づく水質基準を超える汚染が判明したとき、又はクリプトスポリジウム指標菌が検出されたときは、市に報告すること。
(3) 市は、飲用井戸等の汚染を発見したとき又は(1)若しくは(2)の報告を受けて、飲用井戸等に汚染のおそれがあると判断したときは、関係機関に情報提供するとともに、立入調査を行うものとする。また、設置者等に対して、次の指導を行い、改善状況を確認するものとする。
ア 水道給水区域内においては、水道水に切り替えること。
イ 水道給水区域外においては、汚染されていない水源への切替え又は汚染原因を除去する措置を講ずること。
(4) 市は、(3)の立入調査等から、飲用井戸等が広い範囲で汚染されていると判断したときは、汚染のおそれのある飲用井戸等の利用者に広報及び飲用指導を行うものとする。
(5) 市は、水源が広い範囲で汚染され、多くの飲用井戸等の利用者に健康影響のおそれがあると判断したときは、この要領に定めるほか、緊急の対策を講ずるものとする。
附 則
この要領は、平成25年4月1日から適用する。
平成26年4月8日改正施行
附 則(令和2年2月13日内規第11号)
この内規は、令和2年4月1日から施行する。
附 則(令和6年4月1日内規第131号)
この内規は、令和6年4月1日から施行する。
別表1
定期の水質検査項目
項目基準値検査
頻度
一般水質検査一般細菌

大腸菌
亜硝酸態窒素
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素
塩化物イオン
有機物(全有機炭素(TOC)の量)
pH値

臭気
色度
濁度
1mLの検水で形成される集落数が100以下であること。
検出されないこと。
0.04mg/L以下であること。
10mg/L 以下であること。
200 mg/L 以下であること。
3 mg/L 以下であること。
5.8以上8.6以下であること。
異常でないこと。
異常でないこと。
5度以下であること。
2度以下であること。
1回/1年
トリクロロエチレン等水質検査トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
四塩化炭素
ジクロロメタン
シス-1,2-ジクロロエチレン
 及びトランス-1,2ジクロロ
 エチレン
1,4-ジオキサン
ベンゼン
0.01 mg/L 以下であること。
0.01 mg/L 以下であること。
0.002 mg/L 以下であること。
0.02 mg/L 以下であること。
0.04 mg/L 以下であること。


0.05 mg/L 以下であること。
0.01 mg/L 以下であること。
1回/3年
クリプトスポリジウム指標菌検査等クリプトスポリジウム
ジアルジア
大腸菌
嫌気性芽胞菌
 (ウエルシュ菌芽胞)
検出されないこと。
(ただし、クリプトスポリジウム等を除去又は不活化できる施設が整備されている場合を除く。)
「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」により汚染のおそれのレベルに応じた頻度
簡易水質検査残留塩素の含有率

色度
濁度
臭気

遊離残留塩素の場合:0.2ppm以上
結合残留塩素の場合:1.5ppm以上
5度以下であること。
2度以下であること。
異常でないこと。
異常でないこと。
貯水槽(又は高置受水槽) の定期清掃を実施した直後
別表2
給水開始前に実施する水質検査項目
必須項目別表-1の「一般水質検査」欄に掲げる項目
必要に応じて実施することが望ましい項目水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省令第101号)の表の上覧に掲げる項目(必須項目を除く。)
ただし、消毒を行っていない場合には塩素酸、クロロ酢酸、クロロホルム、ジクロロ酢酸、ジブロモクロロメタン、臭素酸、総トリハロメタン、トリクロロ酢酸、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム及びホルムアルデヒト(ただし、当該飲用井戸周辺の地下水等よりこれらの物質が検出されているものを除く。)を、水源が湖沼等水が停滞しやすい表流水でない場合には(4S,4aS,8aR)-オクタヒドロ-4,8a-ジメチルナフタレン-4a(2H)-オール(別名ジェオスミン)及び1,2,7,7-テトラメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン-2-オール(別名2-メチルイソボルネオール)を省略することができる。