○馬路村文化財保護条例
(昭和44年12月22日条例第20号)
(目的)
第1条 この条例は、馬路村の区域内に所在する文化財を保存し、かつ、その活用を図り、村民の文化的向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 建造物、絵画彫刻、工芸品、書籍、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの及び考古資料(以下「有形文化財」という。)
(2) 演劇、音楽、工芸技術その他無形の文化的所産で歴史的又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)
(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗、習慣及びこれらに用いられる衣服器具、家屋その他の物件で住民生活の推移の理解のために欠くことのできないもの(以下「民俗資料」という。)
(4) 貝塚、古墳、城趾、旧宅その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、山岳その他の名勝地で芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然現象の生じている土地を含む。)で学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)
(適用除外)
第3条 この条例は、次に掲げる文化財については適用しない。
(1) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第27条第1項の規定により指定又は仮指定されたもの
(2) 高知県文化財保護条例により指定又は仮指定されたもの
(文化財調査委員会)
第4条 馬路村教育委員会(以下「教育委員会」という。)の諮問機関として文化財調査委員会を置く。
2 文化財調査委員会は、教育委員会の諮問に応じて文化財の研究保存及び活用に関する専門的及び技術的事項を調査審議し、これらの事項に関し必要と認められる事項を教育委員会に建議する。
3 委員は、学識経験を有する者のうちから教育委員会が委嘱する。
4 委員の数は、6人以内とする。
5 委員の任期は、2年とする。ただし、委員に欠員を生じた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(財産権の尊重)
第5条 教育委員会は、この条例の執行に当って関係者の所有権その他財産権を尊重しなければならない。
(指定)
第6条 教育委員会は、村の区域内に所在する文化財中重要なもの並びに特に価値の高いもので、村が保護しなければ衰亡するおそれのあるものを馬路村保護文化財(以下「保護文化財」という。)に指定することができる。
2 前項の規定により指定しようとする場合は、教育委員会はあらかじめ所有者の意見をきかなければならない。
3 馬路村民は、この条例の目的を達成するために行う措置に誠実に協力するものとする。
4 文化財の所有者、その他の関係者は、文化財が貴重な国民的財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存すると共にできるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。
(解除)
第7条 保護文化財が村の区域内に所在しなくなった場合及びその価値を失った場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会はその指定を解除することができる。
(告示及び通知)
第8条 第6条第1項の規定による指定又は前条による解除をしたときは、教育委員会はその旨を告示し所有者及び権限に基づく占有者に通知しなければならない。
(所有者又は所在の変更)
第9条 保護文化財の所有者が変更したときは、新所有者はすみやかにその旨を教育委員会に届出なければならない。
2 保護文化財の所有者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したとき又は保護文化財の所在の場所を変更したときは、すみやかに教育委員会に届け出なければならない。
(管理者)
第10条 教育委員会は、適当な個人又は団体を指定して保護文化財の管理をさせることができる。
(滅失又はき損)
第11条 保護文化財が滅失又はき損亡失等したときは、所有者又は管理者はすみやかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(管理、修理又は復旧等)
第12条 保護文化財が滅失し、き損し、又は衰亡するおそれがあると認められたときは、教育委員会は、所有者又は管理者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他保護に関し必要な措置を勧告することができる。
2 保護文化財の保護につき、多額の経費を要し所有者がその負担にたえられない場合、その他特別の事情がある場合には教育委員会はその経費の一部に充てるため所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
3 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会はその補助の条件として、保護に関し必要な事項を指示すると共に必要があると認めるときは、当該管理又は修理について指揮監督することができる。
(補助金の返還等)
第13条 前条第2項の規定による補助金の交付を受ける所有者が、次の各号の一に該当するに至ったときは、教育委員会は、当該補助金の全部若しくは一部を交付せず又は当該所有者に対しすでに交付された補助金の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。
(1) 管理又は修理に関しこの条例又は別に定める規則に違反したとき。
(2) 補助金の交付を受けた目的に補助金を使用しなかったとき。
(3) 前条第3項の補助の条件に従わなかったとき。
(現状変更)
第14条 保護文化財の現状を変更し、又はその保護に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。
2 教育委員会は、前項の許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し、必要な指示をすることができる。
3 第1項の許可を受けた者が、前項の許可の条件に従わなかったときは、教育委員会は現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為を停止し、又は許可を取り消すことができる。
(環境の保全)
第15条 教育委員会は、保護文化財の保存のため必要があると認めるときは地域を定めて一定の行為を制限し若しくは禁止し、又は必要の施設をすることができる。
(出品)
第16条 教育委員会は、保護文化財の所有者に対し1ケ月以内の期間を限って教育委員会の行う公開の用に供するため、保護文化財を出品することを勧告することができる。
2 教育委員会は、前項の規定により保護文化財が出品されたときは、当該文化財の管理に任ずべき者を定めなければならない。
(調査)
第17条 教育委員会は、必要があると認めるときは、保護文化財の所有者又は管理者に対し、保護文化財の現状又は管理修理若しくは復旧の状況につき報告を求めることができる。
2 教育委員会は、第6条第1項の規定による指定又は第7条の規定による指定の解除をしようとするとき、その他必要があると認めるときは調査に当る者を定め所有者の同意を得て保護文化財の所在する場所に立ち入り調査を行わせることができる。
3 前項の規定により立入り調査をする場合においては、当該調査に当る者は、その身分を証明する証票を携帯し、関係者の請求があったときは、これを示さなければならない。
(規則への委任)
第18条 この条例の施行について必要な事項は、教育委員会規則で定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。