○国立大学法人山口大学知的財産ポリシー
(平成16年4月1日規則第87号) |
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1 目的
本ポリシー制定の目的は,科学技術の進展が経済活動における知識の付加価値を高め,知的財産の役割が増大している中,学問研究の多様性と創作者の権利保護を踏まえつつ,国立大学法人山口大学(以下「本法人」という。)における知的財産の創造を促進するとともに,本法人発の知的財産が社会で広く活用されることを通して経済社会や文化の発展に寄与し,大学の社会貢献を推進することにある。
2 知的財産の創出及び権利化
(1) 知的財産センターは,国立大学法人山口大学職務発明等規則及びガイドラインに定める知的財産を取り扱う。
(2) 本法人は,知的財産の創造,権利化,権利活用,研究費確保及びそれに基づく新たな知的財産の創造という,「知的創造サイクル」の確立並びに効率化に努める。
(3) 知的財産センターは,本法人の研究活動を支える基本インフラとして機能し,研究活動を促進し包括的で強い知的財産を生み出すために,研究開発の初期段階から知的財産の発掘や知的財産経営の啓発等を行うとともに,研究単位ごとに特許情報等の提供サービスを行い,知的財産創造活動への学生参加も奨励する。
(4) 知的財産センターは,職務発明等の権利化又は権利保持費用低減と収益確保のために,早期の実施許諾や権利譲渡等を行うとともに実施権許諾企業等における円滑な実施の確保に努める。
(5) 本ポリシーの対象者は,常勤,非常勤を問わず本法人と雇用関係にある職員及び本法人と研究成果又は開発物について契約を交わしている研究員,大学院学生,研究生,学部学生,学環学生(以下「職員等」という。)である。
3 知的財産権の帰属に関する原則
本法人の職員等が行う研究開発等で,本法人が費用その他の人的物的資源を提供するものから得られる知的財産(以下「職務発明等」という。)に関する権利は,次の原則に基づき,本法人に帰属する。
(1) 発明及び実用新案
本法人の職務において職員等が創作した発明及び実用新案に関する権利は,原則として本法人帰属とする。
(2) 意匠
原則として本法人帰属としない。ただし,本法人の特定プロジェクトにおいて創作された意匠は,原則として本法人帰属とする。
(3) 商標
原則として本法人帰属としない。ただし,本法人の経営戦略又はUI戦略に基づいて創作された商標は,本法人帰属とする。
(4) 著作物
通常の教育研究活動に基づいて創作した著作物(論文,著書等)に関する権利は個人帰属とする。ただし,本法人の業務として実施されるプロジェクト等において創作された著作物に関する著作権は,原則として本法人帰属とする。
(5) 半導体回路の回路配置
本法人の職務において創作した半導体回路の回路配置に関する権利は,原則として本法人帰属とする。
(6) 農林水産物の新品種
本法人の職務において創作した農林水産物の新品種に関する権利は,原則として本法人帰属とする。
(7) 研究開発成果としての有体物
本法人の職務において製作した有体物(完成製品,試作品,微生物,化学物質等)は,原則として本法人帰属とする。
(8) ノウハウ等
本法人の職務において創作したノウハウで,不正競争防止法(平成5年法律第47号)第2条第6項に規定する営業秘密に該当するものは,原則として本法人帰属とする。
本法人は,本法人帰属とされた職務発明等の創作者に,相当の対価として補償金又は実績補償金の支払いを行わなければならない。
本法人帰属とされる職務発明等の創作者は,国立大学法人山口大学職務発明等規則に従い職務発明等の権利化及び権利価値の保全に協力するものとする。
知的財産権の帰属原則は,関係法令の改正,本法人の知的財産運用体制の整備状況に合わせて,迅速な見直しを行うものとする。
4 知的財産創作の届出等
(1) 本法人の職員等は,知的財産の創作を行ったときは,速やかに知的財産センターに届け出なければならない。知的財産センターは,知的財産創作届を受理したときは,当該職員等に速やかに受理通知を送付する。
(2) 本法人に置かれる知的財産審査委員会は,知的財産創作届を受けて知的財産の帰属,承継,処分等を審議する。本法人は,審議に基づく決定を行ったときは,当該職員等に遅滞なく通知しなければならない。また,決定内容に不服のある職員等に対して不服申立の機会を与える。
(3) 職員等は,包括的で強い知的財産の創作及び知的財産創作届出以降の手続の円滑化を図るために,研究の初期段階から知的財産センターを利用するよう努めるものとする。
(4) 職員等は,知的財産創出の明確化,完成時期の明確化,創作者の確定等を行うためにも,研究ノートへの記載を行うことが望まれる。知的財産センターは,研究ノート作成の意義及び作成方法について研修プログラムを実施する。
5 本法人が承継した発明等の出願と権利化
(1) 本法人は,承継した職務発明等について出願,権利化及び処分等を行うことができる。
(2) 職務発明等の出願に際しては,本法人の単独出願,発明への寄与率に応じた企業等との共同出願等がある。
(3) 発明等の審査請求と権利化は,当該発明がライセンシングされた場合又はライセンシング交渉中である場合にのみ行うことを原則とする。
(4) 出願後2年6か月を経過し,審査請求の期限(3年)までにライセンシングの見込みがないと本法人が判断した場合には,本法人は,承継した発明等の諸権利を発明者に返還するために,発明者との協議を行う。
(5) 職務発明等の承継と権利化に当たって,本法人は相当の補償金を支払うものとする。補償金の額は,別に定める「国立大学法人山口大学における職務発明等に係る知的財産に対する補償金等に関する規則」による。
6 特許等の産業活用と発明者への実績補償金の支払
(1) 本法人は,知的財産権の運用に当たり,社会貢献及び公共の福祉に十分注意しなければならない。
(2) 知的財産センターは,保有する知的財産権の活用を行うとともに,本法人が管理する知的財産権を,地域企業及び大学発ベンチャー企業が利用しやすい条件の整備に努める。
(3) 知的財産センターは,発明の死蔵,不良資産化を防止するために,(有)山口ティー・エル・オー又は独立行政法人科学技術振興機構(JST)等と連携して技術移転活動を行い,連携機関に蓄積された知的財産管理やライセンシングのノウハウを活用する。
(4) 実績補償金は,権利化過程における本法人の貢献度と,研究環境の充実を含む研究者に対するインセンティブ付与を総合的に勘案して,別に定める「国立大学法人山口大学における職務発明等に係る知的財産に対する補償金等に関する規則」に基づきこれを支払う。実績補償金の支払は,職員等が転退職又は在籍関係等終了後も行う。
附 則
このポリシーは,平成16年4月1日から施行する。
附 則(平成18年9月12日規則第137号)
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このポリシーは,平成18年10月1日から施行する。
附 則(平成20年3月25日規則第62号)
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この規則は,平成20年4月1日から施行する。
附 則(平成24年3月30日規則第59号)
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このポリシーは,平成24年4月1日から施行する。
附 則(令和7年3月31日規則第46号)
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このポリシーは,令和7年4月1日から施行する。