○国立大学法人山口大学利益相反・責務相反マネージメントポリシー
(平成17年3月22日規則第47号) |
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1 目的
山口大学は,「発見し・はぐくみ・かたちにする知の広場」の理念のもと,たゆまぬ研究及び社会活動とそれらの成果に立脚する教育の実践を最大の使命としている。このため,研究活動の成果を積極的に大学の知的財産として利活用するとともに,産学公が連携して地域社会の発展に貢献することを目標に,民間等との技術相談,共同研究,技術移転,大学発ベンチャー創業など極めて多様な社会貢献活動を行っている。
産業技術の向上に国立大学法人山口大学(以下「本法人」という。)の「知」を広く活用することは本法人及び地域社会にとって重要な手段の1つになっており,こうした社会貢献活動への役員及び職員の参加は,大学の強さや活力に直接的あるいは間接的に寄与することになるほか,役員及び職員の幅広い知識の獲得を進めることにもなり,個々の職員が行う学内での教育研究活動の活性化にとっても有用なことが多い。さらに,本法人の財政基盤の強化及び本法人にとって役立つ学外機関等との関係確立にも寄与する可能性がある。
一方,個々の社会貢献活動が無原則のままに放置されると,金銭的授受等を伴う学外活動が役員及び職員の責務を歪めたり,本法人が本来果たすべき役割を阻害する状況,いわゆる利益相反及び責務相反が生じ得るため,そうした事態を未然に回避するためのマネージメント・システムを構築することが求められる。
本ポリシーの目的は,本法人並びに役員及び職員の行動を制約することではなく,本法人の利益相反及び責務相反に対する基本姿勢及び考え方を内外に明示し遵守することで,本法人の社会的信頼を確保するとともに,役員及び職員の一人一人が安心して社会貢献活動に取り組める環境を整備することにある。
2 利益相反と責務相反の定義
(1) 利益相反とは,一般的には,本法人の役員及び職員が外部機関との種々の業務関係(発注業務,連携業務,委託業務,共同業務,兼業等)の中で,その事実の有無にかかわらず,役員及び職員が個人的な利益を優先していると客観的に見える事態をいう。
(2) 責務相反とは,本法人の役員及び職員が負う社会的責務並びに役員及び職員としての責務が外部機関との関係により衝突する問題のことをいう。すなわち,個人的な利益の有無にかかわらず,職務以外の外部機関での職務活動を優先していると客観的に見える場合が相当する。
3 利益相反・責務相反マネージメントに関する基本的考え方
(1) 本法人は,「国立大学法人山口大学知的財産ポリシー」及び「国立大学法人山口大学産学連携ポリシー」に示すように,役員及び職員が創作する無形資産を知的財産化し,それらを相当の対価でもって学外機関で活用すべく展開される技術移転活動に対する職員の貢献を奨励している。
(2) 本法人は,知的財産の移転活動を公正かつ効率的に行うために,役員及び職員の利益相反・責務相反を未然に防止し,万一生じた利益相反・責務相反については,解決のための措置を講じることとする。また,本法人の役員及び職員は,技術移転活動等の産学公連携及びイノベーション創出支援活動の推進を行う上で,利益相反・責務相反を生じないように万全の注意を払う責務を負う。
(3) 本法人は,法律上は合法であっても,本法人の就業規則その他の規則,ガイドライン等の諸ルールに則って利益相反・責務相反の基準を明確にし,公正かつ効率的な産学公連携及びイノベーション創出支援活動の推進のため,利益相反・責務相反のマネージメントを行う。
(4) 本法人は,利益相反・責務相反マネージメントについて,産業界等外部に対しても理解及び協力を求め,利益相反・責務相反問題の円滑な解決を図ることにより,産学公連携及びイノベーション創出支援活動を推進する。
4 利益相反・責務相反マネージメントの対象
(1) 利益相反・責務相反マネージメントの対象となる職員等とは以下の者をいう。
ア 本法人の役員及び職員
イ その他国立大学法人山口大学利益相反・責務相反マネージメント委員会が対象者と判断した者
(2) 利益相反・責務相反マネージメントの対象となる場合
ア 「国立大学法人山口大学役員兼業規則」,「国立大学法人山口大学職員兼業規則」,「国立大学法人山口大学職員営利企業役員等兼業規則」及び「国立大学法人山口大学職員自営兼業規則」に従って承認される兼業活動を行うとき。
イ 別に定める「国立大学法人山口大学学術指導取扱規則」に従って実施される学術指導を行うとき。
ウ 「国立大学法人山口大学役員及び職員倫理規則」において認める範囲の報酬,株式保有及びエクイティ等の経済的利益があるとき。
エ 出資している企業(大学発ベンチャーを含む。)又は配偶者若しくは三親等内の親族が経営する企業に,発注行為等を行おうとするとき。
オ 自由発明を自らが技術移転して,相当の対価を得ることが予想されるとき。
カ 民間等との共同研究や民間等からの受託研究及び受託事業を行うとき。
キ 学外から寄附金の授受又は設備物品等の供与を受けるとき。
ク その他学外から明白と思われる何らかの便益を供与され,又は供与が想定されるとき。
5 利益相反・責務相反マネージメントに係る体制
(1) 利益相反委員会の設置
ア 本法人の利益相反・責務相反に係る重要事項を審議する機関として,国立大学法人山口大学利益相反・責務相反マネージメント委員会(以下「利益相反委員会」という。)を設置する。
イ 委員は,人事労務を担当する副学長,産学公連携・研究推進センター長,知的財産センター長,医学部附属病院に置かれる人を対象とする医学系研究等に関する利益相反審査委員会の委員長,知的財産について識見を有する大学教育職員のうちから学長が指名する者1名,学術研究部産学連携課長,総務企画部人事課長,本法人の顧問弁護士1名及びその他学長が必要と認めた者とし,委員長は,人事労務を担当する副学長とする。
ウ 利益相反委員会は,利益相反・責務相反マネージメントのポリシー及びガイドライン,利益相反・責務相反の防止に関する施策,利益相反・責務相反に係る審査及び情報の開示その他利益相反・責務相反マネージメントに関する事項を審議する。
エ 職員等から申告があった場合,利益相反委員会は速やかに審査を行い,その結果を,申告した職員等に通知する。審査の結果,申告が利益相反・責務相反に該当すると判断される場合には,申告した職員等は,利益相反委員会の判断に従って,利益相反・責務相反を回避する措置を行わなければならない。申告した職員等は,利益相反委員会の判断に不服のある場合には,異議申立てを学長に対して行い,再審査を求めることができる。
オ 利益相反委員会は,利益相反・責務相反マネージメントについて,産業界等の外部機関に対しても理解と協力を求め,利益相反・責務相反問題の円滑な解決を図ることもその責務とする。
カ 利益相反委員会の事務は,総務企画部人事課及び学術研究部産学連携課において処理する。
(2) ワーキンググループの設置
ア 利益相反委員会に,ワーキンググループを設置する。
イ ワーキンググループは,別に定める事務を行うとともに,利益相反委員会開催の準備をする。
ウ ワーキンググループは,総務企画部人事課及び学術研究部産学連携課が担当する。
(3) 利益相反・責務相反担当窓口(以下「利益相反担当窓口」という。)の設置
ア 各学部等に利益相反担当窓口を設置し,役員又は職員からの利益相反・責務相反に係る申告書等の受付又は相談に対処する。
イ 利益相反担当窓口は,受け付けた申告書等を取りまとめ,ワーキンググループに提出する。
(4) 利益相反アドバイザーの設置
ア 利益相反委員会の業務を支援するために,弁護士,ベンチャー関係者その他学識経験者からなる利益相反・責務相反対策アドバイザー(以下「利益相反アドバイザー」という。)を設置し,利益相反委員会委員長が委嘱する。
イ 利益相反アドバイザーは,利益相反委員会の求めに応じて,専門的な見地から適切な指導を行う。
6 利益相反・責務相反マネージメントの手続き及び方法
(1) 利益相反・責務相反に関する申告書等の提出
ア 職員等は,利益相反が生じる恐れのある業務を行うときには,利益相反担当窓口に,別に定める申告書を提出しなければならない。
イ 役員及び別表に掲げる職員は,第4項第2号の利益相反・責務相反マネージメント対象事項に関する申告を,別に定める報告書により,年1回,利益相反担当窓口を通じて利益相反委員会に提出しなければならない。
(2) モニタリングの実施
利益相反委員会は,モニタリングのため,職員等に対して必要に応じて経過報告を求めることができる。
(3) 情報の開示
利益相反委員会は,次のとおり利益相反・責務相反に関する管理状況等を内外に開示する。ただし,職員等から申告又は報告のあった情報のうち,プライバシーに関わる情報は,原則として不開示とする。
ア 学外に対する利益相反・責務相反等の取組状況の公開及び運用状況の定期的な開示
イ 学内に対するマネージメントポリシー,ガイドライン等の周知及び運用状況の定期的な開示
(4) 研修の実施
利益相反委員会は,職員等に対し,利益相反・責務相反問題への適切な対処に必要な研修を行うものとする。
7 人を対象とする医学系研究等に係る利益相反ポリシー
このポリシーに定めるもののほか,人を対象とする医学系研究等に係る利益相反ポリシーは,別に定める。
8 見直しの実施
利益相反・責務相反に該当するケースは,国内外の経済情勢の変化や地域社会の変化,産学連携活動の変化等,社会情勢の変化とともに新たに生まれる可能性がある。そこで,利益相反委員会は,利益相反・責務相反マネージメントの判断基準を時代に則したものとし,それらに適切に対応するために,利益相反・責務相反マネージメントポリシーを適宜見直すものとする。
附 則
このポリシーは,平成17年3月22日から施行する。
附 則(平成19年3月29日規則第75号)
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この規則は,平成19年4月1日から施行する。
附 則(平成20年3月25日規則第62号)
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この規則は,平成20年4月1日から施行する。
附 則(平成21年3月17日規則第21号)
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このポリシーは,平成21年4月1日から施行する。
附 則(平成22年3月23日規則第37号)
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このポリシーは,平成22年4月1日から施行する。
附 則(平成24年3月30日規則第113号)
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このポリシーは,平成24年4月1日から施行する。
附 則(平成26年3月27日規則第83号)
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このポリシーは,平成26年4月1日から施行する。
附 則(平成26年8月18日規則第115号)
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このポリシーは,平成26年8月18日から施行する。
附 則(平成28年1月29日規則第3号)
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このポリシーは,平成28年2月1日から施行する。
附 則(平成29年3月30日規則第63号)
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このポリシーは,平成29年4月1日から施行する。
附 則(平成30年3月30日規則第42号)
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このポリシーは,平成30年4月1日から施行する。
附 則(平成30年4月25日規則第60号)
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このポリシーは,平成30年6月1日から施行する。
附 則(平成30年9月27日規則第96号)
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このポリシーは,平成30年10月1日から施行する。
附 則(平成30年12月14日規則第102号)
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このポリシーは,平成31年1月1日から施行する。
附 則(平成31年3月28日規則第84号)
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このポリシーは,平成31年4月1日から施行する。
附 則(令和2年3月27日規則第81号)
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このポリシーは,令和2年4月1日から施行する。
附 則(令和2年6月26日規則第123号)
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このポリシーは,令和2年7月1日から施行する。
附 則(令和3年3月2日規則第19号)
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このポリシーは,令和3年4月1日から施行する。
附 則(令和3年6月16日規則第69号)
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このポリシーは,令和3年6月30日から施行する。
附 則(令和4年11月30日規則第120号)
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このポリシーは,令和4年12月1日から施行する。
附 則(令和5年3月6日規則第11号)
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このポリシーは,令和5年4月1日から施行する。
附 則(令和7年3月31日規則第37号)
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このポリシーは,令和7年4月1日から施行する。
別表(第6項関係)
職種 | 職名 | |
大学教育職員 | 教授 | |
准教授 | ||
講師 | ||
助教 | ||
助手 | ||
テニュアトラック教育職員 | 教授(テニュアトラック) | |
准教授(テニュアトラック) | ||
講師(テニュアトラック) | ||
助教(テニュアトラック) | ||
連携講座教育職員 | 教授(連携講座) | |
准教授(連携講座) | ||
講師(連携講座) | ||
助教(連携講座) | ||
助手(連携講座) | ||
支援系教育職員 | 教授(支援系) | |
准教授(支援系) | ||
講師(支援系) | ||
助教(支援系) | ||
助手(支援系) | ||
附属学校教育職員 | 校長,園長 | |
副園長,教頭 | ||
事務系職員 | 統括役 | |
部長 | ||
次長 | ||
室長(職務附加に係るものを除く。),課長,事務長 | ||
副室長(職務附加に係るものを除く。),副課長,副事務長 | ||
専門員 | ||
係長,専門職員 | ||
施設系技術職員 | 部長 | |
課長 | ||
副課長,専門員 | ||
係長,専門職員 | ||
教育研究系技術職員 | 部長 | |
課長,技術主幹 | ||
副課長,技術専門員 | ||
技術専門職員 | ||
図書系職員 | 部長 | |
課長 | ||
副課長 | ||
係長 | ||
医療職員 | 薬剤師 | 副薬剤部長 |
診療放射線技師 | 診療放射線技師長 | |
副診療放射線技師長 | ||
栄養士 | 副栄養治療部長 | |
臨床検査技師 | 臨床検査技師長 | |
副臨床検査技師長 | ||
理学療法士 | 技師長 | |
作業療法士 | 技師長 | |
臨床工学技士 | 臨床工学技士長 | |
言語聴覚士 | 技師長 | |
看護職員 | 看護部長 | |
副看護部長 | ||
助産師長,看護師長 | ||
副助産師長,副看護師長 | ||
教務職員 | 教務員 | |
契約教育職員 | 専門職大学院教育職員 | |
特命教育職員 | ||
契約専門職員 | 特命専門員 | |
特命専門職員 |